教育情報2021.10.11
【相手とのやりとりの中で日本語を学ぶこと】
いろいろな国のテレビ番組を見ていれば、その赤ちゃんは自動的に複数の言語を話せるようになるのでしょうか。残念ながら、そんなことはありません。赤ちゃんにとって大切なことは、相手が自分に話しかけてくれることだそうです。
幼稚園、小学校と年齢が上がるにつれて、テレビなどのインプットにも効果が見られるようになりますが、その学びの「密度」は、実際のコミュニケーションには敵いません。
ことばの力がぐんと伸びる瞬間、それは「わかりたい!」「伝えたい!」という気持ちが高まる時です。喧嘩してしまった友達と仲直りしたい時。日本のおじいちゃんとSkypeで話す時。日本に引っ越してしまった友達に手紙を書く時・・・。
日本語を使うことに特別な意味が生じる瞬間、気持ちが高まる瞬間が、学びのチャンスなのです。
「わかりたい!」「伝えたい!」という思いが生まれるには、相手と場所が必要です。
ぜひそんな「場面」をたくさんプレゼントしてあげましょう。
参照:パトリシア・クール(Patricia K. Kuhl)(2011)「Early Language Learning and Literacy: Neuroscience Implications for Education」、『Mind, Brain, and Education Volume 5, Issue 3』