おひさまプロジェクト

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【お母さん・お父さん方へ】

教育情報2021.09.21


母語として学ぶ時も、外国語として学ぶ時も、習い始めというのは、成果が目に見えてわかります。
挨拶が言えるようになった!

ひらがなが書けるようになった!

標識がなんとなく読めるようになった!などなど。
しんどいのは、外国語の場合、初級後半から中級、自分の伸びが、自分でよくわからなくなった時。
中級から上級、上級者への壁の厚さに、立ちすくむ時です。
母語や継承語として日本語を学ぶ場合にも、小さい時よりも、少し大きくなってからのほうが、モチベーションの維持が難しくなります。おうちの人の言うことを、ただ聞く年齢ではなくなるからです。
「こんなにがんばっているのに、どうしてできないの?」

「去年はできていたのに、どうして忘れてしまうの?」

心配になることも、イライラしてしまうこともあるかもしれません。

そんな時は、「焦らない、比べない、でも続けること」と心の中で唱えてみてください。
ゆるく、長く続けることが大切です。語学の習得は、右上がりの直線グラフではありません。
何も起きていないように見える停滞期や、心配になってしまう減退期もあります。
しかし、続けてさえいれば、長い目で見た場合、必ず右上がりになっているものなのです。特にお子さんや若い学習者の場合、ふとしたきっかけで、ぐんと伸びることがよくあります。
私の知っているお子さん(11歳)は、今まで日本語にあまり興味がなく、家庭でお母様と話す以外に、使おうとはしませんでした。
ところが最近、とある日本のアニメのDVDを友達に借りたことで、一気に日本語力が高まりました。今まで使っていなかった語彙が使えるようになり、会話で使う自然な表現も身につきました。将来、日本に留学したいそうで、日本語の勉強にも力を入れています。

ほかのお子さんで、漢字の苦手な中学生がいました。
一生懸命、小学校までは補習校に通っていたのですが、授業を理解することもやっとの状態だったそうです。その子が、親戚にもらった日本のファッション雑誌を読んだことをきっかけに、一変しました。雑誌の隅から隅まで、親御さんに漢字の読み方を教えてもらいながら読み、それからも、日本のファッション誌や、ファッション関係の本をたくさん読むようになりました。今では、日本で就職し、立派なキャリアウーマンです。

ほかにも、友達との出会いがきっかけで、今までほとんど話せなかった子がたくさんお話してくれるようになったり、日本語でゲームをするうちに、ぐんと日本語が上達した子もいます。
いつ、どこで、ぐんと急成長するかわからないのが語学ですが、子どもの場合、それが特に顕著なのです。
アニメ、ファッション雑誌、友達、ゲーム•••大人にとっては、日常生活のほんの一部でしかありません。しかし、子どもにとっては、人生において大きな意味をもつこともあります。それが、いつか、ぐんと伸びるための種になるのです。

日本語•日本文化に興味がもてそうなことを、ひとつでも見つけて、ゆるく、長く続けてみてください。

いつか、ぐんと伸びる日が来ますから。

大丈夫ですよ。